貴文がプロポーズするまでの道のりを記したブログ
リリースの日付 : 2009 - 05 - 29
Windows7のXP Modeに思うVB6
次期OSであるWindows7もRC版がリリースされ、実際にインストール・検証を行っている方も多いことかと思います。わたしも早速検証してみようと思ったのですが、目玉の1つ(?)であるXP Modeはそれなりな実機を用意しなければならないため、そこだけ確認できていないところなんですよね。一応稟議を申請してPCを確保しようと思っていますが、冷静になって考えると自分がかかわる案件については、「ほぼ」問題のない動作(VB6製なので完全対応は無理……)していることが確認取れているので、あまり気が乗らなかったりします。雰囲気的には、わたしが他のシステムも検証しなくてはならなさそうなのが、非常に嫌な予感満載です。
しかしこのXP Mode。人によっては大変助かる機能だというのはわかるのですが、個人的にはあまり賛成できないんですよね。というのも、Vista以降非対応アプリ(特にわたしの勤務先ではVB6製アプリ)の延命処置として利用されるのではないか、と思えてしまうからです。
特殊なハードやメーカーがドライバを提供しないなど、自分たちが手の出しようのない理由でXPでなくてはならない部分は、理解も納得もできます。ですが一部の心ない技術者のように「やればできるのにやらない」ので、結果非対応のままVB6で突っ走るということには、技術者として非常に憤りを感じます。
今年に入ってから海外で行われた調査で次のような結果が公開されていました。
InfoQ: いまだに広く使われているVisual Basic 6.0
(その原文:Results of the Visual Basic Survey: Part 1 Language and Framework Usage)
リンク先の記事を見ると、イギリスではVB6を利用している割合が8割をいまだに超えていることが分かります。同様のアンケートを日本で行った場合、結果は恐らく似たような割合に落ち着くでしょう(実際に@ITでアンケートを取ってもらえると面白いと思います)。しかし、このアンケートに答えた方の中で、本当にどうにも手段がないことが理由でVB6を利用し続けているのはどれくらいの割合なのでしょうか。
実際に過去の資産から現在へと移行するには、多くのコストが発生したり技術者の育成を行わなくてはならなかったりと、開発以外のレイヤーで考慮しなくてはならない問題も多いと思います。ですがWindowsXPに限らず、過去の環境というのは「いつかはなくなる」ことが決定しているものです。仮に環境を保全しているなど、何らかの手段を講じているとしても、どこかでそれを利用しなくなるタイミングは必ず発生するものと思えます。過去を維持することと、現在や未来に向かって進歩すること。どちらがコストのかかるものなのでしょう。
技術者の教育コストがかかる、という意見は反論として必ず出てくるものだと思います。わたしがそこで不思議に思うのは、「教育コストがかからないことがありえるのか?」という点です。企業として活動している以上、人員の増加など何かしらで教育を行う必要性は必ず発生するものだと思います。過去に依存する場合と、未来へ進歩する場合とでは「教育者を用意するコスト」という個所で差が出るでしょう。ですが、「人に教育する」部分ではどちらの手段を取ろうと同じように発生する部分ではないでしょうか。
まったく新しいことを習得する必要のない仕事であれば、このようなことを考える必要はないのかもしれません。ですがIT業界はそのような世界ではないとわたしは思っています。特にSEであるならば、常に進化し続けるテクノロジ(新旧含め幅広い中から選択を行い)を用いてユーザーのメリットとなるようなシステムを構築するのが、SEとしての条件なのではないでしょうか。
また同業者の中からは「なぜ、Vistaのようなものを出したんだ」ですとか「.NETなんて面倒だからやめてほしい」などといった、「既存環境こそ良し」と思う方の意見も多々聞こえてきます。そして「VBやめて違う言語にしよう」とか「マイクロソフトから離れてみよう」という意見を聞くこともあります。
わたしとしては「Vistaはビジネスに利用できない」「.NETで開発を行うにはデメリットが多い」と本当に思えるのであれば、別のプラットフォームを選択すればいいだけのことだと思っています。文句を言うだけでなく実際にやればいいのです。文句を言うだけで何も行動に移さないのであれば、この世界から足を洗うべきでしょう。
わたしはOSや言語など「人の作成したもの」を利用して商売をしている以上、そこがどう変化していこうとビジネスでの利用方法を考えるのが真っ当な姿だと思っています。趣味で開発しているならば別ですが、わたしは仕事としてこの世界に浸かりこんでいますので、新しいバージョンが提供されればそれに対応するのが当然だと考えています。
個人的な意見としては「ユーザーが利用するのはWindows環境なのは、しばらく揺るがない」点があるので、仕事として続けるためにWindowsプラットフォーム、そして.NETでの開発と付き合っていこうと考えています。「ユーザーはOSを利用したいのではなく、システムを利用して業務を効率よく行いたいだけだ」という記事も目にします。それは正論だと思います。ですがわたしは、自分の仕事範疇とそこに関わるユーザーにおいては「慣れ親しんでいるWindows系OSで」「システムを用いて効率よく」が、自分のビジネスにおいては適していると考えていますので、他のプラットフォームという選択肢はわたしは選ばないでしょう。
XP Modeはありがたい機能だと思います。ですがそれがあるからといって安心せずに、早いうちに開発側も新しい環境に移行していってもらいたいものだと思います。
いっそのこと「VB6ランタイムの動作保障をしない」ぐらいのことがなければ、今文句を言うだけの人というのは動かないのかも知れません。予想として、それでもMicrosoftのWindowsプラットフォームでビジネスを続けている人が多いとは思いますが。そのように思っているので、わたしとしてはそろそろ「動作保障をしない」という劇薬を用いた治療を行ってほしいものだ、などと思っています。
ちなみにわたしの場合、自宅ではVistaへ移行できていません。今現在利用しているADSLモデムがVistaだと「回線接続時にアカウント認証以降進まない」、という不思議な現象が出ており、なおかつこのモデムメーカはすでに業界から撤退していてバージョンアップは絶対無理という……。
かといって今さらADSLモデムやルータを購入するのも気がひけます。また光にしようと思っても、将来的に転居することを考えるとそれもなぁ……。