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Jun 8

AndroidはNetbook市場でWindows 7を脅かすか?

Posted at Jun 8, 2009 05:29 PM コメント (0) トラックバック (0)

リリースの日付 : 2009 - 06 - 08

AcerがAndroid搭載Netbookをリリースすると発表した。機能に制限のあるWindows 7のStarterエディションよりも柔軟性の高いAndroidを選択するのは賢明かもしれない。

 Acerは6月2日、Google Androidを搭載したNetbookを今年7?9月期にリリースする計画を明らかにした。これは重大な発表だ。Acerは現在、「Aspire One」シリーズの下で各種のNetbookを販売しているが、これらはいずれもWindowsがネイティブで動作する状態で出荷されている。PC分野で(Linuxではなく)GoogleがついにMicrosoftに一撃を食らわそうとしているのだ。そしてAcerの動きから判断すると、同社はAndroidがテイクオフするのを望んでいるようだ。

 AcerでIT製品を担当するジム・ウォン社長は「Netbookはコンパクトなサイズで、どこからでも簡単にインターネットに接続できるのが特徴だ」と発表文で述べている。「Android OSは非常に高速なワイヤレスインターネット接続を可能にする。この理由により、当社は顧客の利便性向上のためにAndroid Netbookの開発を決めた」

 将来的に、Acerが提供するすべてのNetbookでユーザーはWindowsとAndroidのどちらをインストールするか選択できるようになるという。

 AcerがNetbookでAndroidを採用するという決定に対して、Microsoftはまだ何もコメントしていないが、スティーブ・バルマーCEOら同社幹部はきっと動転していることだろう。Microsoftが完全に支配している領域に、Googleが初めて忍び込んできたのだ。これが数年前のことであれば、問題にはならなかっただろう。しかしMicrosoftがオンライン分野でGoogleと厳しい戦いを強いられている今日、これは人々が考えているよりも重大な問題かもしれない。MicrosoftはGoogleを嫌っている。GoogleもMicrosoftを嫌っている。そして今、GoogleはMicrosoftに狙いを定め、Netbook市場で同社を打ち負かしたいと考えているのだ。

 これは容易なことではないだろう。最近の調査によると、現在出回っているNetbookの90%以上がWindowsで動作するという。また、Windows Vistaの後継OSとなるWindows 7では、Netbook向けバージョン(Windows 7 Starter Edition)が用意される。Microsoftでは、これによりNetbook市場における同社の支配的地位を強固にしたいと考えている。

 Microsoftの戦略のもう1つの部分が、Netbookの名前を変えることだ。同社ではNetbookを「低価格の小型ノートPC(low cost small notebook PC)」という名前に変えたいのだ。この動きは一見すると、「Zune」や「Bing」といったひどい名前を選んだMicrosoftの命名部門がまた出しゃばってきたように見えるが、本当のところはビジネス戦略なのかもしれない。Microsoftにとって、Windows 7の高機能版を利用してもらうには、「低価格の小型ノートPC」という名前が必要なのだろう。これは、AcerやASUSなどのメーカーがWindows 7に対して支払う費用が増え、現在でも薄いNetbookの利幅がさらに縮小することを意味する。Microsoftにとっては喜ばしいことだが、Netbookメーカーにとっては重大問題だ。

 AcerがGoogleに目を向けた理由もそこにあるようだ。AcerはAndroid推進組織Open Handset Alliance(OHA)に参加することにより、Windowsに対して強いられてきたような高い料金をAndroidに対して支払わなくて済むようになる。その結果、AcerはNetbookで高い利幅を即座に実現できるのだ。AcerがAndroid搭載Netbookの販売に成功すれば、ASUSも間違いなく後に続くだろう。そうなれば、AndroidがMicrosoftの90%の市場シェアを浸食するのは時間の問題だと言えそうだ。

 しかし現在、最大の疑問は、AndroidにはWindowsに対抗できる実力があるのかということだ。Acerが期待するような成功を達成する力がAndroidにはあるのだろうか。

 わたしはその力があると思う。

 Androidの魅力は、容易に修正できるという点にある。PC業界では差別化が重要な成功要因だ。差異がないというのは、ユーザーにとってはコンピュータを選ぶ基準がないということだ。ノートPC市場でコンピュータのデザインが非常に重視される理由もそこにある。Microsoftの狙い通りになれば、これと同じことがNetbook市場にも当てはまることになる――つまり、大多数のコンピュータに同じOSが搭載され、ベンダーはデザインの違いだけで差別化を図らなければならないという図式だ。

 この図式を変えるのがAndroidだ。このオープンなOSにより、Acerは自社のハードウェア専用のAndroid OSを開発することが可能になる。言い換えれば、AcerはNetbookユーザーへの訴求力を高めるためにAndroidのデザインを修正できるということだ。それだけでなく、どんな種類のソフトウェアをOSにバンドルするかを変更することもできる。

 ここでもう1つのポイントが浮かび上がる――アプリケーションだ。Android Marketのおかげで、Androidを組み込んだAcer製Netbookを購入したユーザーは誰でもすぐに、Netbookのアプリケーション環境を充実させることができる。プロジェクト管理から音楽アプリに至るまで、どんなアプリを探していようとも、Android Marketはユーザーが求めるものを安価あるいは無償で提供してくれる。しかもこれらのアプリはWebからダウンロードできるため、DVDドライブがNetbookに搭載されていないという問題(これはWindowsベースのNetbookユーザーにとって大きな不満点となっている)は、たいしたことではなくなる。このことも、Netbookの低価格に大きく貢献するだろう。

 また、ハードウェアの進歩の可能性も無視することはできない。現在のNetbookは、タッチパッドとキーボードを備えたミニノートPCといえる存在だ。しかしAndroidがそもそもタッチスクリーン型デバイス用のOSとして開発されたことを考えれば、Googleの技術を組み込んだNetbookが大きな進化を遂げる可能性がある。

 Androidがタッチスクリーン型デバイス向けに開発されたため、Acerがタッチスクリーンを搭載したNetbookをリリースしようとすると考えるのも当然ではないだろうか。これは現実的な可能性だ。

 参考までに、「低価格の小型ノートPC」向けSKU(製品エディション)であるWindows 7 Starterに搭載されない見込みの機能を以下にリストアップする。

Aero Glass(ユーザーは「Windows Basic」テーマしか使えない)
ウィンドウの色、サウンドスキーム、デスクトップの背景を変更する機能
ログオフせずにユーザーを切り替える機能
DVD再生機能
Windows Media Center
メディアストリーミング機能(ユーザーは自宅のコンピュータから音楽、ビデオ、テレビ番組をストリーム配信できない)

 これを見れば明らかなように、Windows 7 Starter Editionは笑いぐさになるだろう。Netbook向けにデザインされているという人もいるが、OSの機能をWindows 7よりもはるかに大きく拡張できる無数の可能性と機能を提供するAndroidと比べると、このエディションはあまり意味をなさない。AcerがNetbookでAndroidを採用したのは賢明な判断だ。同社にとって必然的な選択ではないかもしれないが、最善の選択であるように思えてきた。Microsoftよ、気を付けるがいい。

 Googleは君たちを笑い者にするかもしれないのだ――またしても。

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