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Jan29

FlashもUSBもないiPad――Apple製品じゃなかったら売れない

Posted at Jan 29, 2010 09:58 PM コメント (0) トラックバック (0)

リリースの日付 : 2010 - 01 - 29

マルチタスクじゃない。Flashがない。USBポートもない。iPadは決して革命的な製品ではない。Apple製品だから話題になったのであり、他社から出ていたら失敗するだろう。

 Appleのスティーブ・ジョブズCEOが1月27日に「iPad」を発表したとき、皆が興奮したのはよく分かった。IT業界には何カ月も前から、iPadがどんなものかといううわさや憶測があふれていた。だがジョブズ氏がステージ上でiPadを披露したとき、出てきたのは、一部ではユニークだが、ほかの部分ではがっかりする製品だった。

 iPadは多くの人が期待していたような革命的な製品ではない。独自のOSを搭載し、1つの重要な要素を備えたタブレットコンピュータに過ぎない。その大事な要素とは、Appleの名前だ。

 iPadがAppleから提供されるという事実は、同製品の最大の長所だ。背面にAppleのロゴがついていなかったら、27日のような注目は集められなかっただろうし、今日の給湯室の話題にもなっていないだろう。Appleのおかげで、決して革命的でないデバイスが、ほかのどの製品でも不可能なほどの話題を集めたのだ。

 AppleロゴがなかったらiPadは失敗するだろう。そう考える理由を見ていこう。

1. Appleの話題作りのうまさ
 ほかの企業がiPadのリリースを準備していたなら、発表前からうわさになることはなかっただろう。AppleはIT業界のほとんどの人から注目を集めている。それは主に、同社の過去の成功によるものだが、同社の秘密主義も一役買っているかもしれない。Apple社員から情報を引き出そうとしても、(うまくいっても)それほど多くのものは得られないだろう。それが、iPad発表前に話題を盛り上げる一助となり、皆を興奮させた。だからApple発表会は大イベントになったのだ。

2. Appleだから注目された
 CESでほかの企業が幾つかタブレットを発表したことは忘れてはいけない。これらの企業は他社と注目を分け合わなければならなかったし、メディアが自社の製品を取り上げてくれることを期待するほかなかった。一方Appleは、ぜいたくにもCESには出ず、その数週間後に、新製品を見に来るようにと多数のマスコミを招待した。DellやHewlett-Packard(HP)などのタブレットメーカーがこんなことをしようとしても、ほとんど気に留めてもらえないだろう。招待したのがAppleだから、マスコミは大挙してイベントに参加し、iPadはほかのタブレットではできなかったほどの注目を集めた。

3. スティーブ・ジョブズがスターだから
 Dellにはマイケル・デル氏がいるかもしれない。Microsoftにはスティーブ・バルマー氏がいるかもしれない。だが、ジョブズ氏のように尊敬や支持者を得ているCEOはこの業界にほかにはいない。ジョブズ氏が発表すれば、人々は耳を傾ける。それは主に、同氏のこれまでの実績によるものだ。同氏は長年Appleを率い、魅力的で革命的な製品を市場に送り出してきた。確かに同氏はiPadでもそれをやってのけるかもしれない。それは議論の余地がある。もしもバルマー氏が同じ製品を発表していたら、これほど熱烈な称賛を浴びることはなかっただろう。ジョブズ氏はすべてのApple製品にとって資産だ。その点はiPadも変わらない。

4. Appleでなければ、忘れ去られる
 欲しいモデルによるが、iPadは60?90日間は手に入らない。Appleほどの企業の製品でなければ、その間に忘れ去られるだろう。だがこの先60?90日間、人々はiPadにどんな機能があるか、iPadがいかに画期的かを語り続けるだろう。それは単に、iPadがApple製品でしか得られないような注目を集めたからだ。HPが2010年にSlateコンピュータをリリースすることを、何人の人が知っているだろうか? JooJoo(Fusion Garageのタブレットマシン)という製品を聞いたことがある人はどのくらいいるだろうか? これらの製品は発表された後で、忘れ去られた。ほとんどの人は、いつ店頭に並ぶかも知らないだろう。iPadは違う。それはAppleロゴのおかげだ。

5. 派手な発表会はいらなかった?
 iPadは優れた製品かもしれないが、大々的な発表会をするほどではなかった。とは言え、ニュースリリースを送って済ませるのはAppleのビジネスのやり方ではない。ジョブズ氏は必ず、Appleのどんな製品でも実際よりもずっと重要に見せてきた。例えば、iPadと市場に出回っているほかのタブレットをちょっと比べてみると、面白い事実が見えてくる。iPadは競合製品よりもはるかに優れているというほどではないということだ。iPadには華々しい発表会は必要なかった。ほかの企業がこの製品を発表していたなら、あまり多くの人が気付かない、ありきたりなニュース記事になっていただろう。

6. マルチタスクはどこに
 残念ながら、iPadはマルチタスクをサポートしていない。ユーザーが文書とWebを切り替えながら事実を確認したくても、できないのだ。今使っているアプリを閉じないと、ほかのアプリを開くことができないからだ。ほかのデバイスだったら、マルチタスクがなければ店頭で売れ残ってしまうだろう。iPadなら、マルチタスクでなくても売れるだろう。

7. Flashがないなんて
 iPadはFlashをサポートしていない。つまり、Web中のいろいろなサイトを閲覧しているユーザーは、明らかにノートPCよりも劣った体験を味わうことになるだろう。多くの人にとっては買う気をなくさせる要素だ。だがiPadはAppleの製品なので、はるかに多くの人がそれを作った会社に引きつけられるはずだ――重要な機能がなく、Web閲覧が大幅に制限されるということを知らずに。Appleなら、Flashサポートなしでもやり過ごせる。ほかの会社にはできないことだ。

8. 中途半端なデバイス
 ジョブズ氏が講演中に指摘したように、iPadは「中間」のデバイスだ。iPhoneほどには便利ではないが、ノートPCほどの性能はない。ジョブズ氏は、そういった点がiPadにプラスになると信じている。自宅でiPadを使いたい人にとっては、基本的な作業ができて持ち歩けるお供になるからだ。だが実際は、そのようなデバイスを本当に欲しいという人はどのくらいいるだろう? Appleの製品だから、欲しいと思うかもしれない。ほかの企業がこの製品を提供していたら、たぶんそうは思わないだろう。

9. USBもない
 iPadをできるだけかっこよくするために、AppleはUSBポートもSDカードスロットも付けなかった。これは問題だ。iPadを「簡単な作業に使われているほかのデバイスに代わるもの」と想定しているのなら、SDカードの写真を取り込んだり、ファイルをUSBメモリに移したりできるようにするべきだ。Appleは、そうした用途向けにアダプタを提供するとしているが、いつものように、有料となる。USBポートがないのは大きな問題で、ジョブズ氏は講演でこの点をもっともらしく言いつくろっていた。ほかの会社の製品なら、USBがなければポンコツ扱いされるだろう。

10. デザインも……
 Apple製品の特徴と言えばデザインだ。同社の製品はたいてい、どの競合製品よりもずっと美しい。だがiPadは違う。ベゼルが大きいので、ディスプレイが実際よりも小さく見える。最悪なことに、競合製品とちょっと比べてみると、実際は一部の製品(特にHPのSlate)は、iPadよりかっこいいとまではいかないが、いい勝負であることが分かる。HPにとっては残念なことに、それを知っている人はほとんどいない。

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